5/15(金) 8:24配信
毎日新聞

マスクは筒状のため、ガーゼなどを簡単に挟み込める作りになっている=青森県むつ市中央のむつ市役所で、江沢雄志撮影

 新型コロナウイルス感染拡大を受け、ストッキングメーカー最大手のアツギは、生産拠点を置くむつ事業所(青森県むつ市)でタイツ素材のマスクの製造を始めた。15日から1枚400円前後で全国のドラッグストアなどで販売する。6月上旬までに約50万枚を製造する予定といい、同事業所の担当者は「何度でも洗えるので気軽に使ってほしい」と話す。

 アツギは神奈川県海老名市に本社を置く、ストッキングのリーディングカンパニー。日本初のパンティーストッキングを発売したことでも知られる。1966年にむつ市に基幹工場を設立して生産を強化し、現在、国内で生産するストッキングやタイツの国内シェアの約3割を占める。

 同社は感染拡大に伴いマスク需要が高まったことを受け、3月ごろからマスクの製造を検討。むつ市からもマスクの生産について提案を受けたといい、5月の大型連休ごろから製造を始めた。

 マスクはストッキングやタイツを作る機械で製造し、原料はタイツと同じナイロンとポリウレタンの合成素材を使用。肌触りの良さと伸縮性が特徴で、マスク部分と耳にかけるひも部分が一体となった量産しやすい無縫製を採用した。タイツやストッキングと同じ筒状になっているためマスク部分にガーゼやハンカチを簡単に挟み込むことができる。

 11日には同事業所の坪根祥嗣所長らがむつ市役所を訪れ、宮下宗一郎市長にマスクを手渡し、同席した県立大湊高の高校生3人と一緒に製品を試着した。同市は5月末までに同社製のマスク6万枚を購入する予定で、市内の全戸に配布する。

 試着した県立大湊高3年の沢田美七海さん(17)は「いつもつけているマスクより眼鏡が曇らないので、すごくいい」と笑顔を見せた。

 坪根所長は「当分はこの態勢を続け、感染を抑える一助になるようしっかり作っていきたい」と話している。【江沢雄志】

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https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200515-00000008-mai-soci