北方領土を事実上管轄するロシア極東のサハリン州政府は、国後島で新型コロナウイルスの感染者が確認されたと発表しました。北方四島で感染者が確認されたのは初めてです。

サハリン州政府の発表によりますと、新型コロナウイルスへの感染が確認されたのは、ロシア南部のダゲスタン共和国から13日に飛行機で国後島に到着した男性で、島でナマコやウニの漁を行う予定だったということです。
男性は島に到着した際に求められる2週間の外出自粛を守っていなかったということで、ロシア当局は男性の宿泊先や職場などで感染者がいないか検査を行っています。
ロシアでは、モスクワを中心に感染者が25万人を超え、世界で2番目に多くなっています。
北方四島では医療体制に限りがあることから外部からの感染者の流入に対し、警戒が続いています。
感染者が確認されたことを受け、国後島と色丹島では島への移動などをより厳しく制限する措置がとられたほか、日用品店などは一時的に閉鎖されるということです。
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、日ロ両政府はすでにビザなし交流など北方四島に関する交流事業を見合わせていて、四島で感染拡大への警戒が続けば、交流事業の見合わせが長期化する可能性も出てきています。

05月15日 15時32分
https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20200515/7000021143.html