■文化の違う外国人が日本の秩序を乱す?

犯罪やトラブルが起きたとき、よく耳にするのが「犯人は外国人だ」という言説です。
そこには「外国人は言葉が通じず、文化も違う理解できない存在だ。だから、われわれの秩序を乱してもおかしくない」という考えが見受けられます。
同様に、移民受け入れ反対論者に代表的なのが、「移民が増えると犯罪が増えて、治安が悪化する」という主張です。本当なのでしょうか。

日本の在留外国人は、リーマンショック後に減少したのを除いて、この10年あまり、増加を続けています。
また訪日外国人も2011年の約620万人からどんどん増え、18年は3000万人を超えました。
外国人の数が伸長するのに伴い、犯罪も増えているのかといえば、その逆です。
来日外国人の刑法犯の検挙数は05年がピークで、以降、減少傾向になり、近年ではピークの約3分の1になりました。

平成25年度版犯罪白書では「来日し、在留する外国人による犯罪情勢の悪化は招いていないと認められる」と総括しています。
外国人が集住すれば、周囲と摩擦が起きることはありますが、それが犯罪の巣窟や温床になると考えるのは、短絡的すぎると言えるでしょう。

たとえば外国人住民の割合が約12%を占める新宿区は、歌舞伎町を擁することもあり、治安の悪い都市というイメージが根付いています。
しかし、区の調査によれば、近所に外国人が住む日本人が感じる問題は、「犯罪」「ドラッグ」ではなく、「ゴミの出し方のルール」や「騒音」などです。
一方で、区内に定住する外国人からは、「犯罪に関わるような外国人を受け入れてほしくない」との声もあがっています。
外国人は日本に住めば日本人と同じように、「内側の人間」としてよりよい治安を求めるようになるのです。

全文はソースで
https://president.jp/articles/-/35337