日本で検察官の独立性がこれほど重要視されるのは、その背景として裁判官が運用上は独立してない
かもしれないという日本の事情があるかもしれないが、まあそれは置いておいて、

刑事司法の仕組みは国によってかなり違っていて、それぞれの「文化」のなかでどうやったら風通し
を良くできて、自由と権利が守られ権力分立の実を挙げることができるか試行錯誤しているような
もので、型にはまった正解というのはない。

革命前のフランスでは、現在のように法廷の中で立場に分かれて論争をしてみてその勝負から正邪を
判定するという発想は優勢ではなくて、むしろ権威ある専門家が被告人を問いただして真理を判定
するというやり方をとっていた。それが革命のあと、そのままのやり方だとロベスピエールみたいな
怖い人によって政敵抹殺のために恣意的に使われてしまうということから、だんだんと前者のような
対審的なものをとりいれていって、現在に至っている。