プレジデントオンライン
5/17(日) 11:01配信
「葬儀一式30万円」が計100万円超になるカラクリ
写真・図版:プレジデントオンライン


■プロが伝授「葬儀会社」絶対に損しない選び方とは

 お葬式には、人生を終えた人を見送るといった大切な意味があります。しかし残念なことに、いまも葬儀のトラブルは後を絶ちません。圧倒的に多いのは金銭問題です。ひと言でいうと「最初にいわれた金額と、最終的に請求される金額が大きく違っている」というものです。


 たとえば「葬儀一式で30万円といわれたのに、請求額は100万円を超えていた」ということがあります。これは必ずしも悪質な葬儀社に引っかかったわけではなく、多くの場合、依頼する側が葬儀費用の仕組みをきちんと理解していなかったことに起因します。

 葬儀の費用は大きく2つで構成されています。図1の見積書の実例を見てください。まず「葬儀一式」。これが誤解を招きやすいのですが、葬儀一式といっても葬儀全体ではなく、葬儀の一部を意味します。葬儀一式に含まれるのは「祭壇一式」や「棺」「安置費用」「人件費および諸経費」などです。

 葬儀の費用には、別に必ず「実費」というのがあります。葬儀をひと通り執り行うために必要な「通夜飲食」「香典返し」「式場利用料」「火葬料」などです。飲食費や返礼品などは参列者の人数によって金額が変わるため、葬儀一式には含まないのが通例です。

「葬儀一式30万円」が計100万円超になるカラクリ
通夜飲食の料金がきちんと計算されているか要チェック。(PIXTA=写真)
 そして、この葬儀一式と実費を合計したものが、葬儀社に最終的に支払う「葬儀の総額」になります。この仕組みを理解していないと、「300万円の予算でお願いします」と依頼したところ、300万円の豪華な葬儀一式を用意され、そこに実費が加わって総額500万円を請求されるといったトラブルが実際に起きたりします。

 金銭トラブルを避けるうえでもう1つ大事なのは、「見積書」を最低でも2つの葬儀社から取ることです。見積書はお願いすればどの業者でも出してくれます。特に決まった形式はなく、各社がそれぞれのフォーマットでつくっていますが、項目の種類はほぼ共通しています。その見方は後述します。

 葬儀のトラブルの背景として、病院に出入りする葬儀社に漫然と依頼するケースが多いことがあります。病院に出入りする葬儀社が悪いということではありません。前述のように見積書を出してもらい、納得して依頼するのであればOKです。ただし、遺族の方は身近な人の死に接して悲しみの中にあり、また気も動転しながら早く手配をしなければと焦ってしまい、よく考えないまま葬儀社に依頼しがちです。

 そして、きちんと要望を伝えられず、つい「お任せします」「普通でお願いします」などといってしまう。これらは“NGワード”で、葬儀社の考える普通でことが進んでしまい、その結果、想像していた金額や内容と異なる葬儀になってしまう可能性が大きくなります。支払いの際にもめても、すでに契約書にサインしてハンコを押していれば、どうしようもありません。

 そうしたトラブルを避けるには、複数の業者を比較検討して、安心して任せられる葬儀社を選ぶことが何よりも大切です。焦ったり慌てたりする気持ちはわかりますが、ご遺体がすぐに傷むわけではありませんので、いったん気持ちを落ち着かせましょう。病院紹介の葬儀社に見積書をもらったとしても、別にネットなどで調べた近隣の数社から見積もりを出してもらい、比較検討する余裕は十分あります。

■総額だけでなく葬儀一式と実費をチェック

 葬儀社から提示された見積書を見る際にはポイントがあります(図1参照)。まず注意すべき点は、葬儀の総額だけを見て納得しないことです。葬儀一式と実費の内容がそれぞれきちんと明記されているかを確認します。

 典型的なダメな見積書では、飲食費や香典返しなどの欄が人数分の総額になっておらず、1人当たりの単価だけが記されています。1個3000円の香典返しが100人分必要であれば30万円です。通夜飲食も同様で、これらが見積書に反映されていないと、最終金額が数十万円単位で違ってきます。図のように、通夜飲食39万円(130人前)、香典返し36万円(3000円×120人)など具体的に計算してあるかを確認しましょう。

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