世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は15日、国際オリンピック委員会(IOC)と合同会見し2021年に延期された東京五輪開催について厳しい見方を示した。16日の米複数メディアもこれに反応した。

 放送局ABC(電子版)は「WHO、安全な東京五輪は『可能だが、容易ではない』」との見出しを打ち、AP通信は「日本を含む保健のエキスパートたちは、世界的なワクチンプログラムの確立前にどんな方法で33競技のオリンピックを開催できるのか疑問視している」と報じた。

 テドロス事務局長は、会見で結束を強調した。「東京が、新型コロナウイルスに対する人類の勝利のために結集する場となることを願う。ベストを尽くし、特に国家が団結し、世界が連帯すれば可能でコントロールできると思うが、容易ではない。だからこそウイルスを打ち負かし、過去の遺物とするには、われわれ全人類がひとつになり戦わなければならない」

 安倍首相は4月、ワクチン開発について「米国などで早ければ秋くらいに人に対する接種が可能となるのではないかとの話も聞いている」と楽観視。今月11日も、五輪開催には遅くとも今秋のワクチン製造が必要では、との質問に「早ければ7月には治験が開始できる見込みだ」と語った。

 一方、米ホワイトハウスのコロナ対策本部を束ねるファウチ医師は、1月に「ワクチン開発は最低でも1年から1年半はかかる」との見方を示し、今月12日は「試験は極めて迅速に進んでいる。うまくいくかどうか、晩秋か初冬に分かることを期待している」と語った。

5/17(日) 13:17配信
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