2020年05月18日07時08分

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言が39県で解除されて初の日曜日となった17日、各地の繁華街に多くの人が繰り出した。汗ばむ陽気の中、「もう大丈夫」と日帰り観光をする人も。一方、気の緩みによる「第2波」を懸念する声も上がった。

 福岡市早良区の「西新商店街」では、家族連れなどがテイクアウトの列に並んだり、雑貨店を訪れたりして休日を楽しんでいた。市内の無職男性(71)は、宣言解除までは散歩以外、ほとんど家で過ごしていたといい、手芸店の外で妻を待ちながら「久しぶりに買い物に出られてうれしい」と笑みを浮かべた。

 ただ、シャッターを閉めたままの店も目立った。雑貨店の男性店長(60)は「徐々に人出が増えているがまだ少ない」と厳しい表情。客足回復に期待を寄せつつ、「第2波が来るのでは」と不安をのぞかせた。
 独自基準に基づき、休業要請を段階的に解除する大阪府。宣言は継続するが、中心地の繁華街道頓堀には、府外からの観光客の姿もあった。広島県から恋人と日帰りで遊びに来たアルバイトの女性(22)は「もう大丈夫かなと。ただ、思っていたより人通りが多いからしっかり手洗いうがいはしたい」と話した。

 「二度漬け禁止」のルールを変更し、ソースを共用の容器からボトルに変えて16日に営業を再開した「串かつだるま道頓堀店」。昼時には入店を待たされるほど多くの客が訪れていた。東京から訪れた中国語教師の女性(47)は「コロナも落ち着いたので周りに内緒で来た」と話した。
 緊急事態が解除されず、休業要請も続く東京・銀座。普段は多くの人でにぎわう三越ライオン像前は午前中は閑散としていたが、午後になると、よけて歩かなければぶつかるほど歩道に人が増えた。
 半袖にマスク姿や自転車の人が目立ち、高齢者はほとんどいない。ランチの呼び込みをしていた飲食店の女性従業員(30)は「人出は先週末に比べて確実に2割は増えた」と話す一方、「感染も怖いので、『お客さんに来て』とは言えない」ともどかしさを見せた。
 衣料品店ユニクロに夫婦で夏物を買いに訪れた台東区の男性会社員(23)は「感染者が1桁の日もあり、そろそろいいかなと思った。ネットだとサイズが分からない」と来店理由を話すと、早歩きで立ち去った。

ソース https://www.jiji.com/jc/article?k=2020051700217&;g=soc