都市部では全国で最も早く1人10万円の「特別定額給付金」の支給を開始した千葉県松戸市が、
さらなる支給の迅速化に取り組んでいる。

生活に困った男性が市役所窓口で「今すぐ欲しい」と包丁を取り出し、
銃刀法違反容疑で現行犯逮捕される事件が起きたのを受け、さらに体制を強化。
市独自の「先行申請方式」で申し込んだ市民は今月下旬から、最短2日程度で受け取れるようになる。

定額給付金は4月30日に参院本会議で補正予算が可決、成立し、早い市町村では1日にオンライン申請の受け付けが始まった。
松戸市はこれに先駆け、予算案可決前の4月28日から、市のウェブサイトから申請書をダウンロードして申請できる
先行申請方式を整えて受け付けを始め、大型連休明けの7日に支給を開始した。
人口規模の小さな青森県西目屋村や熊本県産山村を除いて、都市部では全国最速となった。

ところが、それ以降、申請が殺到。
当初12人だった担当職員を30人に増やして対応したが、処理が追いつかず、
支給日の見通しが立たなかったところに13日の銃刀法違反事件が発生。

市は急きょ、コロナ対策で在宅勤務していた他部署の職員を大量投入。
定額給付金の作業場所に出勤させて当初の8倍以上の100人体制で土日返上で対応に当たっている。

書式についても、総務省が示した申請書見本には「受給を希望しない」欄があり、間違ってチェックしかねないと指摘されている。
市は「そもそも受け取りたい人だけが書類に記入して申請する」と判断し、先行申請の書式では「希望しない」欄を省略した。

市内の約24万世帯のうち最大で4万世帯近くが先行申請を選択すると想定。
18日現在、2万8276世帯から申請を受け付け、うち約2万件は20日までに振り込みが完了する。
今月下旬には2〜3日で支給できるようになる見込みだ。

受け取りを急がない人は、5月下旬以降に届く通常申請方式の申請書に必要事項を記入して返送する。
この場合、振り込みは6月中旬以降になるという。

以下ソース:毎日新聞 2020年5月20日 15時14分(最終更新 5月20日 16時21分)
https://mainichi.jp/articles/20200520/k00/00m/040/151000c