【ワシントン時事】米新興株式市場を運営するナスダックは近く、外国企業の上場基準を厳格化する。新規株式公開(IPO)の調達規模に下限を設け、中国資本の上場を事実上制限するのが狙いだ。新型コロナウイルスをめぐる米国と中国の対立は深刻化しており、貿易に加え、資本取引でも摩擦が強まっている。

 ナスダックが米証券取引委員会(SEC)に提出した規則改正案によると、一部の国・地域の企業がIPOで投資家から調達する資金規模について、最低2500万ドル(約27億円)か、上場後の時価総額の少なくとも25%相当とする。米当局による定期的な会計調査を認めていない中国などを念頭に置いている。

 中国資本の多くは新基準を満たせない可能性が高い。ルール厳格化には、中国企業の不透明な情報開示が影響している。ナスダックに昨年上場した中国のコーヒーチェーン「ラッキンコーヒー(瑞幸珈琲)」に最近、不正会計が発覚。ナスダックは先週、同社に上場廃止を通知した。

 トランプ大統領は、新型コロナの感染拡大は中国政府の初動の遅れが原因だと主張。米政権・議会は中国企業に一層厳しい姿勢を示しており、米政府機関は今月、米公務員年金基金が中国株に投資する計画を中止した。

5/20(水) 13:33配信
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