日本スーパーマーケット協会など食品スーパー業界3団体が21日発表した4月の全国食品スーパー売上高(速報値、既存店ベース)は、前年同月比10.7%増と、前年実績を3カ月連続で上回った。増加率は調査を開始した2010年4月以降で最高となった。新型コロナウイルスの感染拡大を受けた政府による緊急事態宣言と外出自粛要請で、保存ができる食品を中心に買い物1回あたりの買い上げ点数が増えた。全店の売上高は12.3%増の9830億円だった。

構成比率の高い青果・水産・畜産の生鮮3部門は既存店ベースで14.6%増えた。畜産は18.9%増と、冷凍保存がきく大容量のパック商品などに買いだめの動きがあった。青果は15.8%増、水産は7.2%増だった。

一般食品は14.8%増加した。日持ちするカップ麺やレトルト食品が伸びた。日配も14.7%増えた。牛乳やバターなどの乳製品や、ヨーグルトや納豆、キムチといった発酵食品が好調だった。

総菜は4.7%減った。外出自粛で花見などの行楽需要が少なかった。在宅勤務の拡大で自炊が増え、仕事帰りの購入が減少した。

地域別の既存店売上高は、6地域(北海道・東北、関東、中部、近畿、中国・四国、九州・沖縄)全てで前年を上回った。

〔日経QUICKニュース(NQN)〕

2020/5/21 13:00 日経新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXLASFL21HEV_R20C20A5000000/