新型コロナウイルスの影響で古着リサイクルに支障が生じている。
自治体などが収集した古着は、多くが海外で再利用されるが、世界的な感染拡大で輸出ができなくなっているためだ。
各地の集積所が満杯になり、京都市などは既に回収を中止しており、大阪市も27日から取りやめる。
保管場所がなく、集めた衣類の焼却処分を余儀なくされている自治体もある。

環境省などによると、一般的に古着や古布のリサイクルは、自治体の委託などを受けた収集業者が倉庫でいったん保管。
専門の輸出業者を通じ、海外の再処理工場に運ばれる。
貿易統計では、2019年の中古衣類の輸出量は26万トンに上り、
輸出先は東南アジア諸国が7割以上で、最も多いマレーシアが13万トンで、韓国4・4万トン、フィリピン3・8万トンなどだ。

しかし新型コロナの影響で2月頃から輸出が停滞した。
海外の港湾施設の機能が停止したり、現地工場も操業を止めたりしたためで、
海外への古着流通は、ほぼストップした状態となった。

こうした状況を受けて、業者の保管場所には古着が積み上がっている。

大阪府守口市にあるリサイクル会社「仲商店」(本社・神戸市)の集積施設では、
3月頃から古着が滞留し始め、5月半ばには床から5メートルほどの高さに。
管理する大阪支店営業部長の仲清寿きよかずさん(46)は、
「これ以上の受け入れは厳しい。早く収束すればいいのだが」とため息をつく。

各自治体は相次いで、古着の収集を中止しており、大阪市では27日から当面の間、衣類の収集を停止する。
市所有の施設2か所で計330トンを保管できるが、衣替えの今の時期は古着の量が多く、昨年は5月だけで約400トンに上った。
5月末には満杯になる見込みで、中止せざるを得ないという。

京都市や兵庫県西宮市などは既に取りやめている。

一方で、東京都府中市や新潟県長岡市のように、市民サービスの維持のため、回収は続ける一方で、
集まった古着については、焼却処分に踏み切る自治体も出てきている。

写真:輸出できずに業者の倉庫に山積みになった古着
https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/05/20200521-OYT1I50044-1.jpg

以下ソース:読売新聞 2020/05/21 14:34
https://www.yomiuri.co.jp/national/20200521-OYT1T50211/