「この運動神経は、ただ者じゃない」のキャッチコピーを引っ提げ、1994年にデビューした三菱 FTO。車種名のFTOは「Fresh Touring Origination」の頭文字をとったもの。また、車種名からもわかるように、三菱 GTOの弟分にあたり、デビューした年には日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞した。ポルシェを超えると評価された「ただ者じゃない」三菱 FTOを詳しく見ていこう。

■MTよりもATが売れた珍しいスポーツモデル FTO

ギャランFTOから数えると2代目にあたる三菱 FTOは、ワイド・アンド・ローの2ドアノッチバッククーペスタイル。日本車離れした塊感のある個性的なスタイリングが大きな魅力で、室内は決して広くないものの1995年には、年間2万台以上のセールスを記録する。

MIVECとネーミングされた可変バルブタイミング・リフト機構を持つV型6気筒 2000ccエンジンは、最高出力200馬力を発生。当時1リッターあたり100馬力以上の出力を発生させることは、高性能エンジンと評価される基準の一つだ。

組み合わされるトランスミッションは5速MTをはじめ、日本初マニュアルモード付きAT(INVECS-II)をラインナップし、高回転まで許容するATは、ポルシェのティプトロニックよりも扱いやすいと高い評価を得た。

MTよりも多く出回ったATモデルは、デビュー当初4速だったが、マイナーチェンジで5速化。駆動方式は前輪駆動のみで、前輪駆動のわりに旋回能力が高いため、運転がしやすく取り回しにも苦労しなかった。

■モータースポーツから電気自動車にまで発展

三菱 FTOは、モータースポーツでも活躍。現在のSUPER GTである全日本GT選手権(JGTC)GT300クラスにおいて、1998年に総合5位、1999年に総合6位を獲得している。

さらに、FTOをベースとした「FTO-EV」を1998年に製作。最高出力70kWのモーターを搭載し、1回の充電で走れる距離は市街地で150km前後、最高速度は186km/hをマーク。当時、公道走行可能な電気自動車としては最速だった。FTO-EVで得た知見は「MiEV」シリーズに活かされている。

■スペックや価格

◇全長×全幅×全高:4,320mm×1,735mm×1,300mm

◇エンジン

・V型6気筒 2000cc MIVEC 6A12型(200馬力)
・V型6気筒 2000cc 6A12型(170馬力)
・直列4気筒 1800cc 4G93型(125馬力)

◇トランスミッション:4速AT/5速AT/5速MT

◇駆動方式:前輪駆動

◇価格:166万円〜239万7000円(1994年式)

2020/05/20
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FTO
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