https://news.yahoo.co.jp/articles/2aad0c7191f2a1157710893b16407859dabce9bc
■「なぜ誰も気付かなかったのか」マルハナバチのスゴ技、最新研究
 ハチは、理由もなくブンブンと私たちの庭を飛び回っているわけではない。蜜や花粉がたっぷりある花を精査し、訪れた花を仲間に知らせるために匂いの跡を付けていく。
それだけではない。
5月21日付の学術誌「Science」に掲載された論文によると、マルハナバチはまだ花が咲いていない植物の葉に小さな切り目を入れることで、開花を早めていることがわかった。
ハチ研究者たちをあっと驚かせた事実だ。

「すごい!というのが私の最初の反応でした」と、今回の研究に関わっていない米カリフォルニア大学デービス校のハチ生物学者ニール・ウィリアムス氏は語る。
「その後、なぜ今まで誰も気付かなかったのだろうと思いました」

■ハチが葉を傷付けている
きっかけは、スイス連邦工科大学チューリッヒ校の学生フォテイニ・パシャリドゥ氏の発見だった。
セイヨウオオマルハナバチが、温室内の植物の葉に切り目を入れているのを見つけたのだ。
ハチは傷付けた葉を巣に持ち帰るのでもなければ、のみ込んでいるのでもないようだった。

ハチは花を咲かせようとしているのではないかと、この報告を聞いた同大学の化学生態学者でパシャリドゥ氏の指導教官であるコンスエロ・デ・モラエス氏は考えた。
そうして一連の実験を行った結果、食料となる花粉不足に直面したマルハナバチは、植物を傷付けることで通常よりも1カ月ほども早く花を咲かせられることが示された。

この研究は2つの理由から大いに期待されている。
1つは、マルハナバチは開花を操作できることが強く示唆されたこと。
これは、地球温暖化が進み、開花時期より早く出現してしまったハチにとって、大変有用なスキルとなる。
早春の間、マルハナバチの成虫と幼虫は、食料をほぼ花粉のみに頼っている。

もう1つは、人間の食物供給に役立つかもしれないということだ。
穀物の花を意図的に早く開花させることができるようになれば、ものによっては食料生産を増やせる可能性がある。

■葉に穴を開けると数週間早く開花
論文の筆頭著者であるパシャリドゥ氏とデ・モラエス氏ら研究チームは、実験用の網かごに、花粉を与えていないセイヨウオオマルハナバチ(Bombus terrestris)のコロニーと、
開花前のトマトおよびクロガラシを入れた。その後、働きバチが葉に5個から10個の穴を開けたところで、両植物を取り除いた。
すると、クロガラシは通常より2週間早く、そしてトマトは1カ月早く開花したことがわかった。

研究者たちはまた、花粉を与えたハチと与えていないハチで行動を比べるため、それぞれのコロニーを網かごに入れて実験した。
すると、花粉を与えているコロニーの働きバチはほとんど植物に傷を付けることがなかったのに対し、花粉を与えていないコロニーの働きバチは忙しく傷を付けて回った。
さらに、今回の結果が実験室という人工的な環境によるものでないことを確かめるため、研究者たちは2018年3月下旬、マルハナバチのコロニーおよび
開花前の様々な植物を大学の屋上に設置した。

このハチはヨーロッパでごく一般的に見られるもので、自由に遠くまで行って採食することも可能だった。
それでも彼らは、巣から最も近い場所にある開花前の植物の葉に傷を付けていった。
この行動は、4月も終わりに近づき、周辺の植物が開花するに伴って減少していった。
研究チームでは、葉を傷付けるというハチの行動が、やはり花粉の豊富さに左右される証拠だとみている。

屋上でのこの実験は7月まで続行され、セイヨウオオマルハナバチのほかにもBombus lapidarius およびBombus lucorumという2種の野生マルハナバチが、
開花前の植物にやってきて葉に穴を開けていったことがわかった。
世界には250種以上のマルハナバチがいるが、著者らによると、どれくらい広くこの行動が見られるかはわかっていない。

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