コロナウイルスの終息を願って、全国約150社の花火業者の有志が「全国一斉悪疫退散祈願 Cheer up! 花火プロジェクト」を立ち上げた。6月初旬に、全国で一斉に「悪疫退散」の花火を打ち上げる。

 同プロジェクトに参加する千葉県富津市の花火メーカー「立石煙火製造所」は28日夜、地元の人たちを元気づけようと、同市で花火を打ち上げた。見物人が密集することを防ぐため、大がかりな事前告知はせず、花火も30発に抑えた。代表の立石泰之さん(49)は「苦しんでいる人が花火を見て、前向きな気持ちになってくれたら」と話す。

 感染拡大の影響で、5〜9月に同社が依頼を受けていた約30カ所の花火大会が中止に。今年の収入はゼロに近い。火薬が劣化してしまうため、廃棄せざるを得ない花火もあるという。

 地元の介護施設では、入居者や職員らが駐車場に出て、花火を楽しんだ。利用者の女性は「きれいな花火を久しぶりに見て、感動した。気持ちが明るくなった」と話した。(藤原伸雄)

朝日新聞 2020年5月29日 23時52分
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