「中也の世界に若者共感」教科書で読んだ詩 記念館でロングラン展 山口
毎日新聞 2020年5月31日 10時41分(最終更新 5月31日 10時42分)
https://mainichi.jp/articles/20200531/k00/00m/040/067000c

 山口市出身の詩人、中原中也(ちゅうや=1907〜37年)の教科書掲載作品を紹介する「教科書で読んだ中也の詩〜思い出の一篇(いっぺん)」展が、同市湯田温泉の中原中也記念館で開かれている。

 湯田温泉に生まれた中也は10代で詩を始め、代表作「汚れつちまつた悲しみに」をはじめ珠玉の詩の数々を残した。死後に全集が出版され、教科書にも採用された。記念館調べで、49年以降現代まで「汚れつちまつた……」など約25作が中学高校の国語教科書に使われている。

 記念館が、毎年約1年ロングラン開催する「テーマ展示」の第17回として「教科書で……」を企画した。館の所蔵品や、開催を前に募集をかけて寄せられた約20冊の教科書のほか、直筆原稿や知人に出した手紙、写真も展示した。新型コロナウイルス感染拡大により4月13日から休館したが、5月19日から再開し、待ちわびた中也ファンが足を運んでいる。

 学芸員の池田誠さん(46)は「心の奥底に突き刺さり、10代の若者の共感を呼ぶ中也の世界を味わってほしい」と鑑賞を呼び掛けている。中也の詩が掲載された教科書提供も求めている。

 2021年2月14日まで開催。入館料一般330円(18歳以下と70歳以上無料)

※一部省略