新型コロナウイルスの感染拡大が続く北九州市で、5月23〜31日に感染が判明した97人のうち、
過半数の52人はPCR検査(遺伝子検査)時に無症状で、その9割近い46人は濃厚接触者という理由で
検査を受けていたことが市への取材で判明した。

従来はPCR検査の対象ではなかった無症状の濃厚接触者も検査対象にしたことが、感染確認急増の背景にある。

厚生労働省も5月末、濃厚接触者全員を検査するよう各自治体に伝えており、
今後、感染者が出た地域では従来水面下に隠れていた患者の掘り起こしが進む可能性がある。

市は従来、発症した人の家族や同僚ら濃厚接触者であっても、無症状であれば2週間の自宅待機にとどめていた。
しかし、感染に気づかないまま出歩いてウイルスを拡散させる恐れがあるとして、24日ぶりに新規感染者が確認されたのを機に、
PCR検査の対象を濃厚接触者全員に拡大。

5月2日にドライブスルー方式の市PCR検査センターの運用を始めるなど、検査態勢が整ったことも後押しした。

この結果、従来ならば気付かなかった可能性が高い感染者も顕在化した。

児童5人の感染が確認された市立守恒(もりつね)小(小倉南区)も、最初に感染が確認された児童以外の4人は無症状だった。
市幹部も「感染確認の増加は、検査対象を拡大した時点で想定された事態だ」と受け止める。
https://mainichi.jp/articles/20200601/k00/00m/040/298000c