巨大タンポポなぜ但馬に!? 学名なし、消滅危機

 兵庫県の但馬で最大のタンポポである。名前はまだない−。ごく限られた地域で毎年春になると、新種の可能性がある巨大なタンポポがひっそりと咲き続けている。花の直径が5センチほどもあり、但馬で確認されている11種のタンポポの中では最大。20年近く前に見つかったといい、仮称を「オオクシバタンポポ」という。学名もなく、正式な研究を待っている状況。なぜ但馬にあるのか。名も無きタンポポの謎に迫ってみた。(阿部江利)

 但馬の植物調査を長年続ける元小学校教諭で県生物学会但馬支部長の菅村定昌さん(61)=NPO法人コウノトリ市民研究所副代表=によると、中国山地などに自生するクシバタンポポに似ているが、葉が「くし形」にならない点が異なり、花が大型なのが特徴。北方系の在来種エゾタンポポの仲間とみられる。

 但馬では2000年ごろから「ばかでかいタンポポ」の情報が市民研究者から菅村さんに寄せられていた。研究者や市民らによる「タンポポ調査」が近畿で一斉に行われた05年、豊岡市竹野地域の1カ所で確認。その後、香美町の一部と京都府綾部市でも見つかった。西日本を対象にした15年の調査では山口県周南市に似た花が広く分布していたが、同じ種かどうか検討が必要という。

 竹野地域では今春も、大人の膝丈まで茎が伸びた巨大タンポポが咲き、綿毛を飛ばした。一方、香美町では数十株ほどに激減。菅村さんは「シカの食害やそれに伴う環境の変化が急激に進んでいる」と指摘する。名も無きタンポポは、名も無いままに消滅の危機と闘っているのである。

※以下省略。全文はソースからご覧ください


但馬で見られる在来種では最大の「オオクシバタンポポ」=豊岡市竹野町竹野
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2020/6/2 05:30神戸新聞NEXT