2020年06月03日07時09分
https://www.jiji.com/sp/article?k=2020060300191

 【モスクワ時事】ロシアのプーチン大統領は2日、核兵器をめぐる指針を示した「核抑止力の国家政策原則」を承認した。ロシアや同盟国に対する弾道ミサイル発射の確実な情報を入手した場合などに核兵器の使用が認められると明記した。

 地元メディアによると、同原則の内容が公表されるのは初めて。来年2月に期限切れを迎える米ロの新戦略兵器削減条約(新START)の延長協議をにらみ、ロシアの立場を示す狙いがありそうだ。

 2010年に当時のメドベージェフ大統領が同様の原則を承認したが、内容は公表されなかった。ベドモスチ紙によると、核兵器使用の条件については10年の原則から変化はない。
 このほかに核兵器の使用を認める条件として(1)ロシアや同盟国に対する核兵器や大量破壊兵器による攻撃(2)国家存続を脅かす通常兵器による攻撃(3)核兵器による報復攻撃を妨げるような国や軍の重要施設への工作―があった場合を挙げた。使用の決定は大統領が下す。