【6月6日 AFP】インドの首都ニューデリーでは、新型コロナウイルスによる死者が増加したことで、火葬炉での遺体の焼却が追い付かず、まきを積み上げて遺体を火葬する伝統的な方法が用いられるようになっている。

 ニューデリー最大かつ最古の火葬場であるニガムボドガート(Nigambodh Ghat)では、屋外で燃え盛る炎から立ち上る煙が会葬者や作業員の目を刺激する。




 市内の歴史的建造物であるデリー城(レッドフォート、Red Fort)の隣に位置する同火葬場では、病院から到着する遺体が増え続け、営業時間の延長を余儀なくされた。葬儀は午前8時から夜遅くまで執り行われる。

 インドは新型ウイルスによって最も大きな打撃を受けている国の一つで、感染者は約24万人、死者は6700人超に上る。公式統計によれば、ニューデリーではこれまでに約650人が亡くなったが、メディアや墓地関係者らはさらに数百人はいると話す。

 ニガムボドガートの運営組織は、この2カ月間で新型ウイルスによる死者の葬儀を500件超も執り行ったと明らかにした。

 他の3か所の火葬場、および少なくとも2か所の墓地でも、市内の新型ウイルスによる死者の葬儀を手掛けている。

 感染拡大への懸念が高まる中、当局は予防措置として遺体の焼却を近代的な火葬炉で行うよう命じている。だがニガムボドガートでは6基ある火葬炉のうち3基しか稼働していないため、数千年前からヒンズー教の儀式で使用されている伝統的なまきを使った火葬法が、とどめ置かれた遺体に対処していくため、1週間前から認められるようになった。

 だが、同火葬所の運営委員であるスマン・クマール・グプタ(Suman Kumar Gupta)氏は、火葬のために到着した遺族たちが、儀式までに数時間待たなければならないと説明。感染リスクを危惧する遺族たちの不安を招いているという。

 同氏はAFPに対し、「彼らは速くしてもらいたがっているが、稼働している火葬炉は3つしかない」と説明。

 さらには、新型ウイルスの犠牲者によって遺体安置施設が収容能力を超えてしまったと伝えられる病院から、救急車両が一度に4体から5体の遺体を運んでくることから、プレッシャーが増すことになる。

 火葬炉で遺体を燃やすには2時間ほどを要する一方、まきを使った場合はさらに時間がかかり、数十人の作業員が大量の木材を絶えず火にくべていく。

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2020年6月6日 22:35 AFP
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