新型コロナウイルス禍で休業や廃業を選ぶ飲食店が相次いでいる。臨時休業のつもりが、事業継続をあきらめ、そのまま閉店になるケースも目立つ。休廃業は法的手続きによる倒産に比べ実態が見えにくく、件数は倒産より多い。地域のにぎわいも失われかねない。

■地域に愛された店も

 日本三大八幡宮ともいわれる筥崎宮(はこざきぐう)(福岡市)近く。焼き鳥店の「本家 藤よし」が4月に閉店した。参道で始めた屋台が前身の同店は、1949年の創業から70年以上、地域に愛されてきた店だった。串に刺す鶏肉は大きく、冷めてもおいしいと人気で、早川鴻之輔社長(83)は「地域の一番店だったという自負があった」と振り返る。

 緊急事態宣言が出た後の4月上旬に臨時休業を決めた。客足が減ったうえ、従業員の大半が65歳以上で、新型コロナに感染したら重症化しやすいとされる高齢者だったことも理由だ。

朝日新聞デジタル 2020/6/5 8:30
https://www.asahi.com/articles/ASN6471MNN5XTIPE009.html