兵庫県宝塚市安倉西2の民家でボーガンで撃たれた4人が殺傷され、殺人未遂容疑で野津英滉(ひであき)容疑者(23)が逮捕された事件で、矢の刺さった同容疑者の伯母(49)が助けを求めてきた近隣宅の女性(56)が6日夜、緊迫した当時の状況を振り返った。

 4日午前10時10分すぎ、女性宅のインターホンが鳴った。サイクリング用のヘルメットをかぶった伯母。耳の下に矢が刺さり、貫通しているように見えた。女性はすぐに玄関内にかくまい扉を閉めた。「おいに撃たれた」。伯母の声は震えていた。

 通報しようとする女性も携帯電話を持つ手の震えが止まらない。「とにかく命を助けたかった」。階段を踏み外すほど気が動転したが、固定電話でようやく119番。今も「どうにか助かってほしい」と願う。

 亡くなった祖母の好美さんから、数年前に「孫たちが娘(マユミさん)と不仲で、けんかするたびに家に来る」と聞いた。一緒に住み始めてからは「孫がピリピリしている」と悩んでいた。「孫に携帯電話を取り上げられた。娘と連絡をとらせたくないみたい」とも話したという。

 野津容疑者については「あいさつしても返してくれず、おとなしい印象。弟さんは明るい感じ」と振り返った。

 隣に住む男性会社員(43)も証言した。「好美さんはいつもにこにこ。驚きで言葉が出ない」と振り返る。野津容疑者については「あいさつして目が合っても、下を向く。年に数回しか姿を見なかった」と語る。

時計2020/6/7 05:30神戸新聞NEXT
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