https://news.yahoo.co.jp/articles/09483932b252275dcf384d0502630c84d5122471
 米海軍は、南北戦争(1861〜65年)で奴隷制度維持を主張した南部連合(南軍)が使用した戦旗の掲揚禁止を検討している。
米国では中西部ミネソタ州で起きた白人警官による黒人男性暴行死事件を受け、各地で人種差別への大規模な抗議デモが継続。
こうした社会問題への意識の高まりが軍にも波及し始めたとみられる。

海軍制服組トップのギルデイ作戦部長は9日、海軍基地や艦艇、航空機、潜水艦などすべての公的な場所で南軍旗を掲げることを禁じる命令の草案作成を指示。
その上で「部隊の団結を維持し、秩序と規律を保つとともに、海軍の中心的価値を守るための命令だ」と説明した。

南軍旗は現在も、南北戦争で犠牲になった兵士の追悼や南部の誇りとして、南部各地で掲げられている。
その一方で「黒人抑圧の象徴」として拒否反応も強い。

海兵隊は海軍に先立ち、「南軍旗はあまりにも頻繁に過激派や人種差別団体によって使われてきた。このような分断的な信条が海兵隊に存在する余地はない」と宣言。
すべての海兵隊基地で南軍旗の掲揚を禁止した上、マグカップや自動車に貼るシールに至るまで、同旗の使用を認めない方針を打ち出した。

軍事専門紙によると、陸軍も同様に南軍旗の使用禁止を検討し始めた。
マッカーシー陸軍長官は、南軍の将軍にちなんで名付けられた陸軍基地の名称変更を考える用意があると発言。
全米各地で連日行われる抗議デモを受け、米軍将兵の約17%を占める黒人に対する人種的配慮が高まっていることをうかがわせた。