新型コロナウイルスの感染拡大を踏まえ、福岡県の小川洋知事は11日、アジア各国と連携した医療と獣医療の一体的な研究拠点「アジア防疫センター」(仮称)の設置に向け、九州・山口各県と協議を始める意向を示した。同日の県議会定例会で自民党県議団の代表質問に答えた。

 小川氏は5月の九州地方知事会で、九州・山口が一体となって同センター設置を議論するよう提案したと報告。「先頭に立って設置を国に働きかける」と述べた。年度内に県内開催を予定する、人と動物の双方で感染症対策を講じる「ワンヘルス」をテーマにした国際フォーラムなどを通じ、県内誘致の機運醸成を図る考えも示した。

 感染症対策の研究所設置を巡っては、6月8日の参院本会議で安倍晋三首相が「組織的強化を図ることは重要な視点。人獣共通感染症の対応についても危機管理体制の不断の見直しを進め、対応力を一層高めていく」と答弁している。

(豊福幸子)

西日本新聞 2020/6/11 20:09 (2020/6/11 20:11 更新)
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