阪神電気鉄道と阪急電鉄は12日、新型コロナウイルス感染拡大防止策として、両社の全車両計約1600両に抗ウイルス・抗菌加工を施すと発表した。6月中旬から車内に液体を噴霧する作業を始め、9月末までに終えるという。

 関西の鉄道各社では感染予防のため、車窓の開放や車内の定期消毒、時差出勤の呼び掛けなどに取り組んできた。緊急事態宣言の解除で通常の通勤風景が戻りつつある中、両社は乗客に安心して利用してもらえるようにと実施を決めた。

 阪神電車は全358両、阪急電車は全約1300両が対象で、インフルエンザなどへの効果が2〜5年程度持続するとされる水溶液を座席や握り棒、つり革に散布する。光や空気に触れることで発生する成分により、ウイルスの無害化が期待されるという。

 阪急によると、8両1編成の場合、液体の散布や車内の乾燥に約8時間かかるが、ダイヤへの影響はないという。両社は抗ウイルス加工を終えた車内にステッカーを張るという。

 同様の取り組みはJR西日本の在来線でも実施している。

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