介護現場に復帰で40万円 2年働けば免除の再就職貸付を全国展開へ
6/15(月) 10:01配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/cef6a556247fc9fc3eead73d1a7d2f5876962ee1

 厚生労働省は全国の介護現場に復帰する経験者に対して、最大40万円を貸し付ける方針を固めた。2年間介護の仕事を続ければ返済は免除する。新型コロナウイルスの影響で高齢者施設の業務が増大し、人手不足がさらに深刻化していることから、即戦力となる経験者を呼び戻す狙いがあるという。

 厚労省は、これまで全国で行っていた介護福祉士修学資金等貸付制度の再就職準備金貸付事業を拡大して対応する。実施主体は都道府県などで、国は10分の9を負担するもので、第2次補正予算案に計上した。

 対象は介護福祉士やホームヘルパー2級、初任者研修修了など介護系の資格を持ち、現場経験が1年以上ある人。社会福祉士などは対象外となる。各都道府県にある福祉人材センターに届け出て、計画書などを作成して申請する。

 準備金の金額は自分で決める。その使い道は基本的に自由だが、仕事に使うかばんや自転車、バイクの購入費などを想定。転居を伴う場合は、敷金礼金などにも使えるという。2年間、介護職員として働けば返済は免除される。

 実施は補正予算成立日から。同事業拡大の狙いについて厚労省社会・援護局福祉基盤課は「離職にはさまざまな事情があるので、準備金が介護現場への復帰につながり、その後も定着していただければ」と話す。

 同事業は2016年から開始された。これまでは介護分野の有効求人倍率が高い首都圏や東日本大震災の被災地など14都府県が上限40万円で、そのほかは上限20万円だったが、今回、全国一律で40万円に引き上げることを決めた。18年度の貸付実績は596人だという。

 同事業の拡大について、日本介護福祉士会の石本淳也会長は「介護現場へ復帰するきっかけの一つとして、効果的に活用されることを期待したい」と指摘。同時に「準備金を知っている人はどれほどいるのか。厚労省には積極的な制度の広報もお願いしたい」と要望する。