新型コロナウイルスのワクチン開発を巡り、安倍晋三首相は14日のインターネット番組で、世界的に先陣を切る米バイオ企業モデルナのワクチンについて「すごく早ければ、年末ぐらいには接種できるようになるかもしれない」と期待感を示した。首相はワクチンの国内製造を視野にモデルナに加え、英アストラゼネカと交渉していることも明らかにしたが、期待先行の展開に、所管の厚生労働省内からは懸念の声が漏れる。

 ワクチンの開発を巡っては世界的に両社が先行。首相は2社が手がけるワクチンについて「完成した暁にはしっかりと日本も確保できるよう交渉している」とし、「日本でも製造することになると思う」と語った。これに対し、厚労省幹部は「首相が言う『年末』は海外での生産時期の目安であり、国内で接種できる時期ではない」と説明。国内での接種開始は、早くとも来年前半以降とする。

会員限定有料記事 毎日新聞2020年6月15日 19時45分(最終更新 6月15日 20時42分)
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