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読売新聞オンライン

自粛要請中の歓迎会「不適切だった」…感染の警察署長ら処分
新型コロナウイルスの感染などを受けて、署長、副署長(いずれも当時)が内部処分された神戸西署(神戸市西区で)
 兵庫県警は15日、4月に新型コロナウイルスの集団感染が起きた神戸西署の当時の署長と副署長(いずれも警視)を、本部長による厳重口頭注意の内部処分とした。感染が判明する前の居酒屋での歓迎会について、感染との因果関係は不明ながら異例の措置をとったのは、開催が外出自粛要請中で、市民感情に配慮して「不適切だった」と判断したためだ。県警はこの日、2人を県警本部の別の部署に異動させる人事も発表した。

 神戸西署では、知事が県民に不要不急の外出自粛を要請中だった3月27日、居酒屋で署長や副署長ら幹部7人が歓迎会を開いた。

 4月7日に最初の感染者が出て以降、18日までに署長、副署長を含む署員12人の感染が次々と判明した。県警は最大約140人の署員を自宅待機とし、署の立ち入りを一部制限。落とし物などの業務については、署の玄関前で対応した。また、署長と副署長について、同署付とする人事異動を発令した。

 一連の結果を重くみた県警は、「市民に治安上の不安を与えた結果責任がある」とした上で、「(歓迎会は)不適切だった。感染が拡大しており、対応しないわけにはいかない」と幹部の内部処分に踏み切った。

 今回の対応は市民感情に配慮したものとも言える。この日の内部処分に、70歳代の主婦は「地域の安全を守る立場にありながら、外出自粛中の歓迎会は問題だ。しっかりと受け止めてほしい」と話した。一方、運送業男性(69)は「感染自体は仕方がないが、組織として区切りを付けるためにも処分は必要。これを契機に心を新たにしてほしい」と求めた。

 関西大の亀井克之教授(リスクマネジメント論)は「自粛要請中、治安に責任を負う警察幹部による飲酒会合は倫理的にも危機管理上も問題がある。感染拡大の結果責任だけでなく、会合開催も理由に含めた措置は市民の信頼回復や、組織内の規律の維持の面から妥当だ」と指摘している。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200616-00050180-yom-soci