6月18日、最大震度6弱を観測した大阪北部を震源とする地震から2年が経ちましたが、未だ復旧していない住宅もあります。現地で取材を進めると“修理費を工面できない”という事情に加え、“新型コロナウイルス”も影響していました。

 あの日、大阪府高槻市にある高槻市立寿栄小学校では、地震でブロック塀が倒れ、当時小学4年だった女子児童が下敷きになって死亡しました。2年が経った6月18日の朝、市長や校長らは、黙とうを捧げました。

 2018年6月18日に発生した大阪北部を震源とする最大震度6弱の地震。大阪府だけでも5万8000棟を超える住宅に被害がありました。当時、至るところで屋根にブルーシートがかかっていました。

 あれから2年。今年6月17日に被災地となった大阪府高槻市を再び訪れると、今もブルーシートが張られたままの住宅が複数確認できました。

 「瓦がずれて落ちたので、ブルーシートで固めてもらった。地震の時は壁にヒビが入ったり。(Q修理見積もりはいくらぐらい?)1000万円以上。直したいですけど、まずお金がないと直せない。」(被災した住民)

 当時、国の支援は『全壊』と『半壊』に限られていて、『一部損壊』は対象に含まれていませんでした。そこで高槻市は『一部損壊』の住宅に最大5万円の補助を出すことにしましたが、去年6月には申請の受付も終了。この間に修理費を工面できなかった住宅の復旧は進んでいません。

 別の被災した男性の家も取材させて頂きました。地震で屋根瓦がずれ、ブルーシートで覆っていますが、雨漏りが起きるといいます。家の中には今もバケツが置かれていました。

 「ここだけがちょっとまだ。ここは久しぶりに、この間の雨で水が溜まっているでしょ。70歳超えた年寄り2人だけやから。(Q直すのもお金がかかる?)そうなんです。私らも年金生活やさかいに。」(被災した住民)

 一方、感染拡大への警戒が続く新型コロナウイルスも復旧の妨げになっています。高槻市でボランティア活動を続ける辻井元男さん。地震発生の半年後から、被災した住宅のブルーシートを張り替えるなどの支援をしていますが、感染拡大を防ぐため活動自体が止まっているといいます。感染リスクを抑えるため、今後はそれぞれの地域でボランティアを育てていくことが大切だと話します。

 「コロナの影響があるので集まって作業ができないですね。(屋根には)原則複数人で上がるということをしていますから、今は様子を見に行ったり、被災者の声を聞いたりして、今後どうしていこうかと。移動がコロナによって今できない。(県外移動が)解除されたとしても、移動による感染リスクというのは無くならないと思うので。それを考えたら、地域地域でボランティアチームというか、災害を考えていくチームが必要なんじゃないですかね。」(ボランティア 辻井元男さん)

更新:2020/06/18 17:38
https://www.mbs.jp/news/kansainews/20200618/GE00033523.shtml
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