英国の中央銀行であるイングランド銀行(BOE)は18日、国債などの資産を買い入れて金融市場に資金を供給する量的緩和策を拡大すると発表した。買い入れ規模を1000億ポンド(約13兆4000億円)増やし、計7450億ポンドとする。新型コロナウイルスの感染拡大による経済減速が深刻化する中、大規模な量的緩和を続け経済回復を後押しする。政策金利は過去最低の0・1%に据え置いた。

 17日まで開いた定例の金融政策委員会で決めた。感染拡大で金融市場が大混乱した3月に2000億ポンドの量的緩和拡大を決めたが、このままのペースで資産買い入れを進めると7月には買い入れ余地がなくなる見通しになっていた。

 英国は新型コロナの死者数が4万人を超えて欧州最悪となり、経済再開の動きも鈍い。経済協力開発機構(OECD)は、2020年の実質経済成長率が前年比11・5%減と欧州主要国の中で最大の落ち込みになると予想している。また、欧州連合(EU)離脱後の移行期間について、英EUは12月末までの期限を延長しないことで合意しており、先行き不透明感が増している。【ロンドン横山三加子】

毎日新聞2020年6月18日 23時49分(最終更新 6月18日 23時49 https://mainichi.jp/articles/20200618/k00/00m/020/306000c