新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、中小企業の過半数がテレワークを導入したことが、大阪商工会議所の調査でわかった。一方で、導入企業の約3割が生産性低下を感じるなどテレワーク定着に向けての課題が浮き彫りになった。


 調査は6月2〜16日、大阪府内を中心とする中小企業3228社を対象に行い、407社が回答した。

 テレワークを実施していると答えた企業は52%だった。このうち89%が「感染症対策」で導入したとし、53%が「全く考えていなかったが急きょ導入した」と回答。3月の調査では導入予定としていたのは9・5%だった。緊急事態宣言を受け、多くの企業が対応を決めたとみられる。

 導入後の生産性について「低下した」と答えたのは28%で、「向上した」は8%にとどまった。課題(複数回答)としては、「セキュリティー強化」(47%)、「IT環境整備」(42%)などが挙がった。また、74%がテレワークを継続すると答えた一方、20%が廃止予定だとした。

 神戸大の森井昌克教授(情報通信工学)は「会社の端末の持ち出しや個人端末での業務など、セキュリティー面を中心に課題は多く、適切な支援が必要」と指摘している。

読売新聞 2020/06/21 06:00
https://www.yomiuri.co.jp/local/kansai/news/20200621-OYO1T50008/