英国のジョンソン首相は23日、新型コロナウイルス流行が小康状態になったのを受け、
全人口の大半を占めるイングランド地方で7月4日からレストランやパブ、ホテルなどの営業再開を認めると発表した。

新型コロナの感染拡大を防ぐために3月から実施した規制措置を大幅に緩和することで、低迷する国内の景気を回復させたい考えだ。

7月4日から再開が認められるのは他に映画館や美術館、美容院など。
美容院では美容師らが飛沫(ひまつ)感染を防ぐフェースシールドを着用することが条件になる。室内ジムや水泳プールなどの再開は見送られた。

また、感染拡大を防ぐための「社会的距離」の規制について、人が集まる場所で他者との間隔を確保できない場合に限り、
現行の2メートルから1メートルに緩和する。

2メートルの規制を維持したままでは、パブなど飲食業の営業が困難との声が上がっていた。
英政府は社会的距離を縮める条件として、感染予防のための消毒剤の配置や換気の徹底をパブなどに求める方針。

英国ではすでに15日から百貨店やブティックなどの小売店が営業を再開した。

米ジョンズ・ホプキンズ大の集計によると、23日時点の英国の累計感染者数は約30万8千人と世界で5番目。
4月中の大半は1日の新規感染者数が4千人以上だったが、6月中旬以降は2千人未満の日が続いており、状況は一定程度の落ち着きを見せている。

ジョンソン氏は23日、「感染拡大の『第2波』のリスクは現時点ではないと考えている」とした上で
「長かった冬眠は終わりに近づいている」と表明した。
https://www.sankei.com/world/news/200624/wor2006240019-n1.html