石巻市の男性獣医師(65)が人工交配した宮城県産和牛のDNAが父牛と一致しなかった問題を巡り、精液の保管状況などを獣医師が宮城県に虚偽の報告をしたとされる事件で、石巻区検は24日、家畜改良増殖法違反(虚偽報告)の罪で、獣医師を略式起訴した。石巻簡裁が今後、罰金刑の略式命令を出すとみられる。
 仙台地検によると、被告は2019年9月30日ごろ、自身が管理する家畜人工授精用の精液の数と、一緒に保管する証明書の数が異なる原因について県から報告を求められ、県に同10月3日、虚偽の報告をしたとされる。
 県が同12月、同容疑で獣医師を宮城県警に告発、県警が20年3月に書類送検した。DNAが一致しなかった点について県警は「犯罪を特定できる事実がなかった」とし立件を見送った。

河北新報 2020年06月25日木曜日
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