英政界で対中強硬論が勢い付いている。当時のキャメロン首相が主張した英中蜜月の「黄金時代」に何が起きたのか。英国議会下院の外務委員長で、対中政策の見直しをめざして今年発足した議員団体「中国研究グループ」の会長も務めるトム・トゥゲンハート議員(46)に聞いた。

トム・トゥゲンハート英下院議員
Tom Tugendhat 1973年生まれ。ケンブリッジ大大学院でイスラム研究に従事した後、イラクやアフガニスタンで従軍。2015年に与党・保守党から下院に初当選した。17年に外務委員長に選出された。今年、同党所属8議員と議員団体「中国研究グループ」を設立し、会長に就任した。

 ――キャメロン首相(当時)は2015年、経済関係の強化を背景に英中関係を「黄金時代」と表現しました。それから何が変わりましたか。

 いま、そんな表現をすることはないだろう。両国の関係性はここ数年、中国共産党と習近平国家主席の行動によって変わった。香港における民主主義と法の支配を害し、知的財産や貿易などでルールに基づいたシステムを揺るがそうとしているからだ。

 ――英国は香港の旧宗主国として、中国が香港での反体制的な言動を取り締まる「国家安全法制」を導入すれば、英国の「海外市民旅券」を持つ香港市民の英国ビザなし滞在期間を6カ月から12カ月に延長し、将来的な市民権獲得に道を開くと決めました。

 私は1年以上前から英国海外市民の救済を政府に求めてきた。(香港返還をめぐる中英共同声明に調印した)1984年の時点で実行すべきだったことだ。

 ――英国政府は過去に、完全な…(以下有料版で,残り1095文字)

残りで,英国5G通信網へのファーウェイ利用には反対,
WHOには新型コロナウィルスに関し公正な調査を期待
AIIB波アジアの発展支援になるので英国は引き続き参加すべき

朝日新聞 2020年6月29日 12時00分
https://www.asahi.com/articles/ASN6T438NN6PUHBI02G.html