>>141
■地域猫へのパイプカット手術のススメ■

 現在、猫の不妊手術方法としては精巣・卵巣の摘出手術が主に行われています。
この方法の特長は手術された猫は発情しないため、発情期特有の鳴き声やマーキングを抑えられる事です。
これは猫を完全室内飼いする人には都合の良い特長と言えます。
 しかし地域猫等の屋外にいる猫には左程都合の良い方法とは言えません。
屋外には未手術の猫も存在するので、結局その猫たちが騒ぎマーキングするからです。

 屋外にいる猫に対しては卵精巣摘出方式ではなく、パイプカットの方が適しています。
精管・卵管のカットだけ行い精巣・卵巣は残すのです。すると繁殖はできないものの発情はする猫になります。
 つまり手術受けた猫も繁殖活動に参加する事になります。そして繁殖能力がある未手術の猫が
手術済みの繁殖能力の無い猫と交尾する機会が発生し、この時に未手術猫の繁殖機会を奪う事になります。
 仮に未手術の雄雌と手術済みの雄雌の計4匹で簡単に試算すると、(未=未手術/済=手術済み)
「未−未」「未−済」「済−未」「済−済」の4通りの内、繁殖できるのは「未−未」だけで、
他の3通りは全て繁殖できない組み合わせとなるので、妊娠率は単純計算で1/4になります。
(但し猫は特定の相手を持たない乱交型の交尾をするので、効果は下がると考えられる)

 従来の卵精巣摘出方式では手術済みの猫は最初から繁殖に参加しないので、未手術の猫の間だけで交尾をしてしまい、
結局はその猫の間で繁殖してしまいます。
 パイプカット方式なら繁殖に参加して未手術猫の繁殖機会を奪える可能性があるので、
卵精巣摘出方式よりも群全体の繁殖力を下げる効果があると考えられます。