【ワシントン時事】米連邦最高裁は29日、妊娠中絶を行う医師に厳しい条件を課す南部ルイジアナ州の州法を違憲とする判断を下した。
トランプ政権で保守派が最高裁の多数派を占めて以降、妊娠中絶が争点になる初めてのケースで、最高裁の判断が中絶禁止へと傾くかが注目されていた。
トランプ大統領は中絶反対の姿勢を打ち出しており、政権は今回の判決に反発している。

 判決は5対4で、保守派のロバーツ長官が4人のリベラル派判事と共に違憲判断を支持した。ルイジアナ州法は、
中絶手術で問題が生じた場合、近隣の病院に患者を引き受けてもらう同意を取り付けていない医師に手術を認めない内容。
ほぼすべての州内の医師が手術できなくなるとされ、中絶容認派から「事実上の中絶禁止」という批判が出ていた。 

https://www.excite.co.jp/news/article/Jiji_20200630X323/

■参考
・【3分解説】 再燃したアメリカの中絶論争 目指すのは何か
https://www.bbc.com/japanese/video-48361382
>米アラバマ州で15日、人工妊娠中絶を全面的に禁止する法律が成立した。強姦や近親相姦による妊娠でも中絶は認めない、
>全米で最も厳しい中絶禁止法の成立によって、アメリカで中絶の是非をめぐる長年の議論が一気に再燃した。

・人工妊娠中絶 禁止・制限へ 加速する動き アメリカで何が
https://www9.nhk.or.jp/nw9/digest/2019/05/0522.html
>人工妊娠中絶の権利を認めるのか否か、その最終的な判断を下すのは連邦最高裁の9人の判事です。
>オバマ政権下では、中絶の権利を擁護するリベラル派と中道派、反対する保守派がきっ抗してきました。

>ところが、この数年のうちに2席が空席に。
>トランプ大統領がそこにいずれも保守派の判事を指名した結果、保守派が過半数となったのです。
>中絶に反対する勢力はこれをチャンスと受け止め、人工妊娠中絶を認める最高裁のこれまでの判例を覆そうとしているのです。