今はコメづくりの真っ最中で青々とした田んぼが広がっていますが、ちょっと今年は困ったことが起きています。

職員「すごいくさい」

虫網を振りながら田んぼの畔を歩く県やJAの職員。捕まえているのは…
「いっぱいおる、緑色のこれが。幼虫ですね」

カメムシです。JAなどでは、農業被害をもたらすカメムシの調査を県内各地で行っています。

県の職員「コメの所で汁を吸う。そこが黒くなってしまうのでそれで最終的にコメに黒い点々出来てしまって、品質が落ちてしまう」

特に目立って発見されたのが、「アカスジカスミカメ」です。このように親子で捕まっています。
6月26日は輪島市や穴水町など奥能登の2市2町34地点の田んぼで調査が行われましたが、アカスジカスミカメは1地点あたり8.2匹で過去10年の平均と比べると5.8倍にも達しました。
アカスジカスミカメは農業被害をもたらすカメムシの一種ですが、「カメムシ目」でとらえるとその生態は幅広く、世界で5万5000種、日本では1300種が分布しています。

県ふれあい昆虫館 齊木亮太・学芸員
「自分に害を与える敵に対していやなにおいを発する。殺虫成分を含んでいたり。日本で農業害虫として知られているのは、数十から百数十、もうちょっといくかもしれない」

ではなぜカメムシが今シーズンは多いのか。気候が大きく影響しているのではないかというのが、専門家や関係者の一致した見方です。

齊木亮太・学芸員
「多くの種が成虫の形で越冬する。今年は非常に暖冬、雪もそんなに多くなかったこともあって、冬の間に寒さに耐えられず死んでしまう個体が非常に少なかったというのは(カメムシが増えた)可能性として十分ありえる」

能登北部営農推進協議会 相木智一さん
「暖冬でカメムシが多くいたということにつながっていると思う」

今回調査した場所では100匹を超す地点もあり、今後、県やJAでは生産者に畔などの草刈りや防除につとめるよう呼びかけることにしています。

https://news.yahoo.co.jp/articles/a2dafddacb90c3ad0095cfdec494b3fc14af6553