0001シャチ ★
2020/07/05(日) 17:23:21.70ID:KgcALLb19■なぜ避難しない? 「足腰に不安、でも…助け借りづらい」
避難を呼び掛けても10人に2、3人から断られる。広島県坂町の民生委員で町内会長の下川博志さん(70)はどうしてなのか、疑問だった。しかし、昨年の自らの避難ではっとした。「高齢者がなかなか逃げないのは、体がつらいからではないか」
避難所で過ごした夜、下川さんはいすに掛けたまま寝るのが苦しくて、床に横になった。でも高齢者のほとんどはいすに座り続けた。下川さんは「高齢者は足が弱い。自力で床から起き上がれないから寝転がれなかったのかもしれん。他人の助けを借りるには遠慮があるんでしょう」と言う。避難所まで歩くのもしんどさの一つとみる。地元では80歳以上で車を運転する人はほぼおらず、移動手段も確保できない。
さらに「この家は何十年も安全だったという経験も避難のハードルになる」と話すのは、広島市安芸区の防災士、土取潔さん(81)。逃げるよう言っても「いやあ、大丈夫よ」と返されることが多い。
甘い認識は、県立広島大と三原市がことし3月にまとめた調査でも浮かび上がる。三原市内の西日本豪雨の被災区域に住む75歳以上の高齢者42人のうち38人が逃げなかった。理由として「過去の大雨に比べて怖くなかった」「今まで被害に遭ったことがないし大丈夫だと思った」など危機感の薄さが目立った。ほかにも「雨の中移動する方が危険」「避難勧告等の情報を受信していない」などが上がった。
■危機、見える形で具体的に説明を 「川がああふれそう。準備しときんさい」
「江の川があふれそうな。逃げる準備をしときんさい」。その言葉が、西日本豪雨の時、三次市青河町に住む山口浪子さん(79)の背中を押した。迫る危険が思い浮かび、怖くなったからだ。安全な所にある寺へ急いで移った。
山口さんに避難を呼び掛けたのは、地域の自主防災会前会長の岩崎積さん(69)と、隣に住む新藤俊朗さん(73)。岩崎さんが電話し、新藤さんが訪問する連携プレーで、住み慣れた家を離れたくないとためらう山口さんの心を動かした。「漠然と『危ない』と言われても逃げんかったかもしれん」と山口さんは振り返る。
岩崎さんは実感している。年を重ねるほど、納得しない限り逃げない傾向が強くなる。代々受け継いだ家を守りたいとの責任感。持病、足腰の衰え―。「レベル3」「大雨特別警報」と言われても、ぴんとこない人が多い。
「ことしは新型コロナの感染が嫌で、動きたがらん人もおる。余計でもわしらの地域力が試される」と岩崎さん。「あのため池があふれそう」「そこの川が氾濫しかけとる」と、危機を見える形で伝えることが「高齢者への呼び掛けの鉄則」と力を込める。
避難所までの移動手段も見える形にするといい。三原市木原地区の民生委員、福地康子さん(55)は、避難を促すときは「車で一緒に行きませんか」と具体的に示すよう心掛ける。
避難を渋る高齢者の多くは足腰が衰えていたり、車を持っていなかったり。近所に住む72歳の女性もその1人だ。指定避難所までは歩いて30分以上かかる。「1人じゃ行けんけど、人様に迷惑は掛けたくない。それで迷うんです」と胸の内を明かす。
女性は福地さんに何度も誘われるうち、「連れて行ってもらえるチャンスを逃しちゃいけん」と思うようになった。福地さんは「逃げろと言われても本人だけでは難しい。そこを分かって、地域ができる限り支えていけたら」とほほ笑む。
(以下ソースで)
ソース 中國新聞
https://news.yahoo.co.jp/articles/39f5e50090a03867104a3545bde5b3cdad809d3e