九州各地は6日も、猛烈な雨に見舞われた。気象庁は同日午後4時半、「経験したことのないような大雨になっている」として、福岡と佐賀、長崎の3県に大雨特別警報を出した。7日も梅雨前線の停滞で、東北から西日本の広い範囲で非常に激しく降るところがある。

 気象庁によると、6日午前は鹿児島県鹿屋市で1時間降水量109・5ミリを記録するなど、鹿児島、宮崎の両県で大雨になった。午後になり、この雨をもたらした活発な梅雨前線が北上。発達した雨雲が次々と流れ込んだ九州北部で記録的な大雨となった。長崎県大村市では1時間降水量が94・5ミリとなり、観測史上最多となった。

 降り始めから6日夕までの総降水量は、東海や近畿、四国などでも増えている。静岡県川根本町では406・5ミリ、和歌山県田辺市で234・0ミリ、高知県馬路村で315・5ミリ。地盤が緩んでいる場所もあり、土砂災害や河川の氾濫(はんらん)に厳重な警戒が必要という。

 7日午後6時までの24時間降水量の予想は多いところで、九州北部300ミリ、東海250ミリ、九州南部と中国200ミリ、近畿と北陸、関東甲信180ミリ、四国150ミリ、東北100ミリとなっている。

 梅雨前線は8日ごろまで本州付近に停滞するため、九州北部を中心に広い範囲で大雨が続く恐れがある。7月上旬〜中旬は梅雨前線が停滞することが多く、2017年の九州北部豪雨や18年の西日本豪雨といった大雨をもたらした。気象庁の中本能久・予報課長は「今年は同じ場所に停滞する時間が長い。ここまで長く続くのはあまり経験がない」と話した。(山岸玲)

朝日新聞 2020年7月6日 20時59分
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