https://www.asahi.com/sp/articles/ASN763FT7N75UHBI00Y.html
オーストラリア南東部のビクトリア州は、新型コロナウイルスの集団感染の恐れがあるとして、公営アパート9棟の入居者に対し、
外出を少なくとも5日間完全に禁じる異例の措置を4日からとっている。

一方で州は5日、仕事に行けない入居者に1500豪ドル(約11万円)、失業中の入居者世帯に750豪ドルの「生活苦手当」を支給すると発表した。

9棟は同州のメルボルン都市圏にあり、約3千人が暮らす。州は2週間分の家賃の支払いも免除し、生活必需品も配る。禁止を徹底するため、警察官を計500人、配置する。

9棟では、6月下旬以降、計27人の感染が確認された。入居者には難民や移民も多い。
州は、近所付き合いが密接なことから集団感染が広がるリスクが高いと説明。外出禁止の期間中に入居者全員を検査し、隔離を徹底する方針だ。

豪州では、3月下旬に始めた外出規制が効果をあげ、5月からは規制を緩和してきた。

だが、メルボルンでは6月下旬以降、日ごとの新規感染者が70人前後と3月末並みに増えた。
これを受け、州は今月2日、北部など約30万人が住む複数の地区で、通勤や通学、必需品の買い物、運動以外の外出を禁止。4日深夜に対象地区を拡大した。

今回の9棟も対象地区の中にあるが、完全な外出禁止はより厳しい措置だ。豪メディアは、入居者らの「差別的な扱いだ」との不満の声も伝えている。