東京都知事選での戦績に、日本維新の会が自信を深めている。維新が推薦した新顔の得票が想定を超え、発祥地の大阪にとどまらず首都圏でも勢いを増しつつあるとみるからだ。維新は次の衆院選などで勢力の大幅な拡大をめざす構えで、立憲民主党など野党勢力は警戒感を強める。

 都知事選で小池百合子知事の当選が固まった5日夜、維新の馬場伸幸幹事長は大阪市内で記者団に、党の推薦で立った小野泰輔氏の戦いぶりについて「数字以上に大きな影響を与えられた」と手応えを語った。

 熊本県副知事だった小野氏は6月2日に立候補を表明。1カ月程度の活動で、れいわ新選組の山本太郎代表に約4万5千票差に迫る約61万2千票を獲得。維新が目標としていた50万票を大きく上回った。順位は4位だったが、港区など一部の都心部では立憲などが支援した宇都宮健児氏の得票を上回って2位につける地域もあった。「維新の皆さんに支えられ、ここまで戦えた」。小野氏は選挙後ツイッターにそう投稿した。

 維新の勢いは都議補選にも表れ、大田区は立憲の推薦候補に競り勝ち2位、北区でも3位につけた。立憲の都選出衆院議員は「維新は我々がアプローチできていない層に浸透してきた」と、苦戦を振り返った。

 小野氏への支援は、都議出身の参院議員らの直談判を受けた松井一郎代表(大阪市長)がゴーサインを出した。今秋の「大阪都構想」の住民投票の再挑戦を見据え、「住民投票後も維新が生き残るためには広がりが必要」という党内の意見も踏まえ判断した。

 実際、大阪の地域政党に端を発…(以下有料版で、残り1092文字)

朝日新聞 2020/7/7 21:03
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