https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200707/k10012502011000.html?utm_int=news-new_contents_list-items_001
九州北部・中国地方 8日朝にかけ非常に激しい雨のおそれ

前線の影響で九州各地で雨が降り続き土砂災害や川の氾濫の危険性が非常に高くなっています。8日の朝にかけて九州北部や中国地方の多いところで1時間に60ミリの非常に激しい雨が降るおそれがあります。数時間のうちに状況が悪化するおそれもあり、厳重な警戒を続け、自治体が発表している避難の情報に基づいて身の安全を確保してください。


気象庁によりますと、活発な前線の影響で西日本から東北の広い範囲で大気の状態が不安定になり、この時間は九州北部と東海で雨雲が発達しています。

午後10時までの1時間には
▽熊本県南小国町で51.5ミリの非常に激しい雨を観測したほか、
▽岐阜県下呂市萩原で48.5ミリの激しい雨が降りました。

午後10時までの48時間の雨量は
▽大分県日田市の椿ヶ鼻で726.5ミリ、
▽福岡県大牟田市で649ミリ、
▽岐阜県高山市久々野で355.5ミリといずれも観測史上最も多くなっています。

一時、特別警報が出され記録的な大雨となった九州に加え、中国地方や東海などでも断続的に激しい雨が降り、各地で土砂災害や川の氾濫の危険性が非常に高くなっています。

福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、鹿児島県、広島県、愛媛県、奈良県、岐阜県、静岡県、長野県では「土砂災害警戒情報」が発表されている地域があります。

また、長崎県、福岡県、熊本県、山口県、広島県、岐阜県、長野県では「氾濫危険水位」を超えている川があります。
今後の見通し
前線が停滞し活発な状態が続く見込みで、これから8日の朝にかけて九州北部や中国地方の多いところで1時間に60ミリの非常に激しい雨が降るおそれがあります。

その後も9日にかけて西日本から東北の広い範囲で、局地的に、雷を伴って非常に激しい雨が降るおそれがあります。

8日夕方までの24時間に降る雨の量は、いずれも多いところで
▽九州南部と四国、東海で250ミリ、
▽九州北部と近畿、関東甲信で200ミリ、
▽中国地方と北陸で150ミリ、
▽東北で100ミリと予想されています。

また、9日夕方までの48時間の雨量は、
▽四国と東海で300ミリから400ミリ、
▽九州南部と関東甲信で250ミリから350ミリ、
▽近畿で200ミリから300ミリ、
▽九州北部で200ミリから250ミリ、
▽北陸で150ミリから250ミリ、
▽中国地方で150ミリから200ミリ、
▽東北で100ミリから150ミリと予想されています。

気象庁は土砂災害や川の氾濫、低い土地の浸水に厳重に警戒するよう呼びかけています。

記録的な大雨となった九州に加え、すでに雨量が多くなっている中国地方や東海などでも非常に激しい雨が予想されています。数時間のうちに状況が悪化するおそれもあります。厳重な警戒を続け、自治体が発表している避難の情報に基づいて身の安全を確保してください。

九州北部で記録的雨量

九州北部では7日朝にかけて各地で記録的な大雨となりました。

大分県日田市の椿ヶ鼻では、6日から断続的に激しい雨が降り、7日午前3時前までの1時間には80.5ミリの猛烈な雨を観測しました。7日午後1時までの24時間の雨量は497ミリに達し、観測史上最も多くなりました。

福岡県大牟田市では、6日夕方、発達した積乱雲が連なる線状降水帯がかかり、3時間で188.5ミリの雨を観測しました。7日未明までの12時間の雨量は351ミリと、平年の7月1か月分に匹敵する雨がわずか半日で降りました。さらに、7日朝までの24時間雨量は観測史上最も多い446.5ミリに達しました。

このほか、各地の24時間雨量は、
▽熊本県山鹿市で420ミリ、
▽長崎空港で384ミリ、
▽福岡県久留米市で360.5ミリと、いずれも観測史上最も多くなり、平年の7月1か月分前後の雨が1日で降る記録的な大雨となりました。

2020年7月7日 23時09分 NHK