ヨーロッパのセルビアは、新型コロナウイルスの感染者が増えてきたことから、夜間の外出禁止措置を再び行う方針を示しました。しかし、これに強く反発した市民グループが抗議デモを行い一部が議会に乱入しようとしたため、警察が催涙ガスを使って排除する騒ぎとなりました。

セルビアでは、新型コロナウイルスの感染者が落ち着いてきたとして、5月には非常事態宣言を解除し、外出制限などが緩和されて先月には議会選挙も行われました。

しかし最近、1日に確認される新たな感染者が300人前後となるなど4月の水準にまで戻っていて、ブチッチ大統領は7日、首都ベオグラードなどを対象に今月10日の夜から13日の朝にかけて、夜間の外出禁止措置を再び行う方針を示しました。

これについて野党系の市民グループなどが強く反発し、7日夜にはベオグラードの議会前で数千人規模の抗議デモを行って、「大統領は辞任しろ」などとシュプレヒコールをあげました。

さらに一部の参加者が議会に乱入しようとして、これを阻止する警察が催涙ガスを使って排除する騒ぎとなりました。

現地の警察によりますと、警察とデモの参加者の双方で少なくとも合わせて60人がけがをしたということです。

感染が再び広がっているヨーロッパの一部の国では、マスクの着用の義務化や屋外での集会の禁止など、規制を再び強化する動きがでています。

NHK 2020年7月8日 22時01分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200708/k10012505301000.html