古いやかんでスポーツ飲料 13人が食中毒 内部に蓄積の銅溶け出す
毎日新聞 2020年7月9日 10時31分(最終更新 7月9日 12時21分)

 大分県は8日、臼杵市の福祉施設でステンレス製のやかんに入ったスポーツドリンクを飲んだ70〜90代の男女13人が、嘔吐(おうと)、吐き気などの症状を訴える食中毒になったと発表した。水道水に含まれる微量の銅成分が古いやかんの内部に蓄積し、酸性の飲料で溶け出したことが原因とみられ、極めて珍しいケースという。
 県食品・生活衛生課によると、福祉施設はステンレス製のやかんで湯冷ましをつくり、スポーツドリンクの粉末を入れた。そのスポーツドリンクをデイサービスの利用者が6日午前10時20分ごろ、一人あたり150tを飲んだところ、嘔吐などの異状を訴えた。
 大分中部保健所に届け出があり、同課が検査したところ、スポーツドリンク1リットル中200ミリグラムの銅が検出された。通常、銅10ミリグラム程度を摂取すれば、中毒症状が表れるが、1人当たり30ミリグラムの銅が入ったスポーツドリンクを飲んだとみられる。
 同課によると、やかんは約10年前から使用しており、内部に黒く変色した部分があった。水道水に含まれた銅が内部に蓄積し、酸性のスポーツドリンクを入れたことで溶けたとみている。【津島史人】

https://mainichi.jp/articles/20200709/k00/00m/040/044000c