農体験で幸福度増 ホルモン増確認 全中・順天堂大
2020年7月11日 6時30分
日本農業新聞

 JA全中と順天堂大学などは10日、東京都内で記者会見を開き、体験型農園での農作業にストレス軽減や幸福感を増進させる効果があるとする研究成果を発表した。作業後にストレスを表すホルモンが減少し、幸福度に関わるホルモンが増加した。全中は、体験型農園の魅力が数値で示されたことを生かしてPRを強め、利用者の増加に弾みをつけたい考えだ。

 全中と大学は2018年11月、NPO法人全国農業体験農園協会の協力を得て、体験型農園での農作業がストレスに及ぼす影響を調査した。都市に住む男女40人に、収穫や追肥などの作業を1時間してもらい、前後の唾液の成分を比較した。

 その結果、ストレスで増えるホルモンのコルチゾールやクロモグラニンAが農作業後に減少。一方、幸福度を表すホルモンのオキシトシンは、性別・個人差があるものの全体的には増加傾向となった。参加者に対し、気分を数値化するアンケートも同時に実施。「抑うつ」など否定的な感情が低下したことを確認した。

 全中は研究結果を踏まえ、企業の福利厚生での活用や医療分野との連携なども模索する考え。会見した須藤正敏副会長は「農業や食を身近に感じてもらえれば国民理解も一層進む」と述べた。
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