濁流や土砂が住民の日常を一瞬にして奪った日から1週間がたった。九州豪雨で最初の大雨特別警報が発令された4日に被害が集中した熊本県南部。被災地では日ごとに新たな犠牲者が確認され、11日も捜索現場から遺体が見つかった。「無事でいて」「生きていて」。あの日、川からあふれ出た水や山から崩れ落ちた土砂は、家族や親友の願いをものみこんだ。

◇「ごちそうで迎えようと思ってたみたい」次女は涙

熊本県人吉市下林町の西橋欽一さん(85)と妻恵美子さん(82)は、近隣住民が避難しようと誘ったが、断ったという。4日は北九州市から次女の西村直美さん(51)が家族で帰省する予定だった。帰省するたびに米袋を持たせてくれた両親。夫婦が重なるようにして見つかったリビングには米袋が置いてあった。「家で待とうとしたのかな。なんで(避難を)断ってしまったの?」。西村さんは声を震わせた。

西橋さん夫婦の自宅近くには、球磨川と支流の万江川が合流する地点がある。4日は早朝から住民らが避難を始めていた。テレビで人吉市の状況を知った西村さんは両親に電話をかけたが、つながらず、消防に救助を要請。「どうか生きていて」と願ったが、5日に両親の遺体が見つかった。自宅の1階は完全に水につかっていたという。

新型コロナウイルスの影響で県境を越えた帰省ができなかった日が続き、両親との電話では「コロナが落ち着けばね」が互いの口癖だった。3日夜、恵美子さんから「帰ってこんのねー?」と電話があり、西村さんは「明日帰るから」と返していた。冷蔵庫の中には刺し身や肉があった。「ごちそうで迎えようと思ってたみたい」。涙が止まらなかった。【平塚裕介】

7/11(土) 20:14配信 毎日新聞
https://news.yahoo.co.jp/articles/ba9b1eed45011ae8c8afed0c32491b264340bb37
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