https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2007/13/news095.html
 東京大学と大日本印刷(DNP)は7月13日、皮膚に貼り付けられる薄型・伸縮自在の「スキンディスプレイ」をフルカラー化したと発表した。
スマートフォンとBluetoothで接続し、カラフルな画像などを離れた場所からディスプレイ上に送信、表示できる。
「従来は単色しか表示できなかったが、駆動回路を簡略化・小型化することでフルカラー化を実現した」と、研究チームの染谷隆夫教授(東京大学)は話す。

利用者は、遠隔地にいる友人や同僚からハートマークや「いいね」マークを送ってもらい、肌の上に表示することで、温かみのあるコミュニケーションができるという。
東大とDNPは「遠隔コミュニケーションでの感情伝達を補う効果を期待している」としている。

連続稼働時間は約30〜40分で、9000色以上の表現が可能。
12×12個(144画素)のマイクロLEDチップを厚さ約2mmのゴムシートに等間隔で埋め込んでおり、ユーザーの皮膚の形状に合わせて貼り付けられる。
130%の伸縮を約100万回行っても電極が壊れないという。

皮膚に張り付ける際は、医療用の粘着剤を使うため、ばんそうこうのような感覚で着け外しできる。
マグカップやペットボトルにも貼り付けられるが、画素数が少ないため文字の表示は難しいという。

20年度中に利用者のニーズや製造プロセスの検証を始め、2〜3年以内の実用化を目指す。
染谷教授は「今後は解像度を上げつつ、より頑丈・安価な製造を実現することで普及につなげたい」としている。
商品化の際には、バッテリーや通信回路が入ったパーツのさらなる小型化も検討する。

旧型のスキンディスプレイは、東大とDNPが2018年に発表。
当初は16×24個(384画素)のマイクロLEDチップを厚さ約1mmのゴムシートに埋め込む構造で、1色しか表示できなかった。

https://image.itmedia.co.jp/news/articles/2007/13/l_dy_da_02.jpg