7/15(水) 9:39配信
毎日新聞

古川地区の地域ねぶたで運行する予定だったねぶた=青森市の古川市民センターで2020年7月14日、井川加菜美撮影

 18日に地域ねぶたの運行を予定していた青森市古川地区の実行委員会は、同市内で今月に入って相次いで新型コロナウイルスの感染者が確認されたことを受け、急きょ中止を決めた。「青森ねぶた祭」が中止になり落胆が広がる中、地域を元気づけようと感染防止対策を講じながら準備を進めていた。開催直前の決断に間山大介実行委員長(43)は「子どもたちや地域の人たちの安全を考えた」と苦渋をにじませた。【井川加菜美】

 古川地域ねぶたの運行は今年で17年目。大人たちが見守る中、子どもたちが主体となってねぶたとともに町内を練り歩く、地域に根ざした祭りとして浸透してきた。

 今夏の運行については感染を警戒する意見もあったが、実行委には住民らから「少しでも青森の夏を味わいたい」「ねぶたを見ないといつ夏が来たのか分からない」など、祭りの開催を希望する声が多数寄せられたという。感染者の発生が落ち着いていた6月上旬に運行を決めた。

 運行するねぶたは地元出身のねぶた師・立田龍宝さんに以前から依頼。作品「玉屋清吉團十郎花火」は完成していた。また、囃子(はやし)の太鼓の間には仕切りを設置し、水分補給は各自でペットボトルを用意することを指示するなど、さまざまな感染防止対策をすでに進めていた。

 しかし、7月9〜10日に2人の感染が判明。実行委内で意見を集約し、翌11日に中止を決めた。間山さんは「本当はコロナに負けたくなかった」と語る。運行予定だったねぶたは今後、同市の古川市民センターで展示する予定という。

 間山さんは「冬に学校の校庭にねぶたを出すなどして少しでも子どもの思い出を作ってあげたい」と話している。

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