2020年7月18日 11時40分

17日、ロンドン郊外のウィンザー城で、エリザベス英女王からナイトの爵位を授与されるトム・ムーアさん=AP・共同
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 【ロンドン=沢田千秋】英国のエリザベス女王(94)は17日、新型コロナウイルスで奮闘する医療従事者のため、約3280万ポンド(約44億円)の寄付を集めた100歳の退役軍人、トム・ムーアさんにナイトの爵位を授与した。ウイルス感染抑止のため3月に都市封鎖が実施されて以降、女王が市民と直接対面する公務を行ったのは初めて。
 授与式は「社会的距離の確保」を念頭に、女王が隔離生活を送るロンドン郊外にあるウィンザー城内の庭で開催。女王は王室に伝わる剣の先をムーアさんの両肩にそっと置く儀式を行い、笑顔でムーアさんや家族と言葉を交わした。
 ムーアさんは「女王から高い栄誉を授けられ、これ以上願うことはない」と感激した様子。女王は「驚くべき額の寄付を集めてくれて、本当にありがとう」とたたえた。
 ムーアさんは100歳の誕生日を迎える4月30日までに、1周25メートルの自宅の庭を100周するとネット上で宣言し、応援者に国民保健サービス(NHS)への寄付を提案。「キャプテン(大尉)・トム」としてたちまち人気を博した。

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