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読売新聞オンライン
 日本航空はパイロットなど一部職種を除き、2021年度入社の新卒採用を見送る方針を固めた。大幅な採用縮小は9年ぶりとなる。新型コロナウイルスの感染拡大の影響が長期化し、新卒採用を見合わせる動きは広がる可能性もありそうだ。

 日本航空はグループで計1700人を採用する予定だった。パイロットや障害者を対象とする約80人の採用活動は続けるほか、内定者約150人はそのまま採用する。赤坂祐二社長は読売新聞のインタビューで「今の状況を考えると、来年入社してもらっても新人の方には仕事がない。大変申し訳ないが、採用は難しい」と述べた。

 航空業界では、ANAホールディングス(HD)も、「航空需要の減少で人員の余剰が発生している」(広報)として、パイロットなど一部の職種を除く約2500人の採用を中止した。全日本空輸を含むグループ37社で3200人程度を募集していた。パイロット志望者と障害者を対象とした計約100人は新規採用するほか、地上職採用の専門学校生ら約600人に出した内定は取り消さないという。

 旅行大手エイチ・アイ・エス(HIS)も新卒採用を中止した。当初は約600人の採用予定だったが、感染拡大を受け、3月下旬から採用活動は中断していた。広報担当者は「今後の事業環境を見通すことが困難なため」としている。

 航空や旅行業界は、入国制限や出張の自粛などで深刻な打撃を受けている。国土交通省によると、4月の航空輸送量(旅客)は国内線、国際線とも前年同月比で8割以上減った。5月の国内の延べ宿泊者数も84・8%減の781万人と、07年の調査開始以来、最も少なかった。

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