毎日新聞2020年7月21日 16時17分(最終更新 7月21日 16時54分)

 2016年の熊本地震と、その後の大雨で被災した熊本県山都(やまと)町の国指定重要文化財「通潤橋(つうじゅんきょう)」の修復工事が終わり、落成式と記念放水が21日あった。午前11時ごろ、高さ約20メートル、長さ約76メートルの橋中央部から勢いよく放水されると、訪れた約300人から歓声が上がった。

 町教委によると、通潤橋は日本最大級の石造りアーチ水路橋で、農業用水を送るため江戸時代の1854年に架けられた。昭和30年代に観光放水が始まったが、熊本地震で被災して漏水し、修理中の18年5月には大雨で石垣が崩落。今年3月にほぼ工事を終えたが、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、4月に予定していた落成式と記念放水を延期していた。

 定時放水は週末を中心に午後1時に実施。町教委の担当者は「熊本では豪雨など暗いニュースが続くが、少しでも明るさを取り戻してくれれば」と話した。【吉川雄策】

https://mainichi.jp/articles/20200721/k00/00m/040/134000c